水分補給における重要なポイント!

◆お話を伺った先生のご紹介
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院
リハビリテーション科診療科長
リハビリテーション科医長

藤谷順子先生

昭和国際医療研究センターリハビリテーション62年筑波大学医学専門学群卒後、東京大学医学部附属病院、国立療養所東京病院、東京都リハビリテーション病院等を経て、平成14年7月より現職の国立科医長。所属学会専門医資格は、リハビリテーション医学会専門医・指導医・代議員、日本老年医学会代議員、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会理事など。

ご本人に合った”食感(物性)”を選びましょう

「嚥下機能が心配だから液体に“とろみ”を付けましょう」と言われたことはありませんか?

液体に“とろみ”を付けるのはサラサラの液体が、あまりにも早く喉に流れ込んで誤嚥をするのを防ぐためで、少し口の中をゆっくり通るようにするためです。しかしながら“とろみ”を付けすぎると、べたべたして飲みにくかったり、喉に残りやすかったりします。すなわち適度に喉をゆっくり通り、張り付かず、残らないことが重要です。

また「ゼリー」になっているもので水分補給をすることが推奨されることもあります。ひと言で「ゼリー」と言っても、その物性は様々です。スプーンですくったときに崩れやすくバラけるゼリーや、まとまる物性のゼリーがあります。嚥下機能が心配な方がゼリーを摂取する場合は、離水の少ないゼリーを選ぶ必要があります。

ご本人に合ったものを選びましょう!

こまめに水分補給しましょう

水分補給は全ての方に重要で「渇き」を感じる前に補給することが望ましいとされます。

特に高齢の方は渇きを感じにくくなります。そして水分補給の回数が減り、お口の中が乾燥したり、気づかないうちに脱水状態に陥ってしまうこともあるので、少しずつ定期的な水分補給を心がけましょう!

お口を潤わせましょう

唾液はお口の健康に重要な役割を担っています。しかしながら加齢や薬の副作用、病気、ストレス等によって、唾液の分泌量が減少しお口の中が乾燥している方がいます。

お口の中が乾燥すると、ネバつきや口臭などの不快感だけでなく、唾液の自浄作用が低下して、虫歯菌や肺炎菌が増える原因となります。